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行政行為、行政指導の違いって何??

こんにちは、中堅法学部生です。

 

今回は最近話題に上がった行政指導とその他の行政についてまとめたレポートを公開しようと思います。

 

 

『行政行為とは、権力的な行為であり、行政が一方的に私人の権利義務を変動させる行政のことである。そしてこの権限は委任や代理が可能である。例えば、最高裁昭和53年判決12月8日第二小法廷判決がある。ここでは、運輸大臣の認可を受けた日本鉄道建設公団が成田新幹線を建設する予定の土地に住んでいた人々が、この認可の取消し訴訟を起こした。しかしながら判決では、上級行政機関である運輸大臣が下級行政機関である鉄道公団に対しその作成したこの建設計画との整合性などを審査してなす監督手段としての承認の性質を有するものであり、行政機関の行為と同じであるとして、この認可の取消しは否定された。本判決は行政が一方的に私人の権利を変動させている。そのうえで、鉄道公団という法人が行政機関であるという地位であることを認め、その行政機関が一方的に私人の権利義務の変動を認めたものであった。
他にも、行政行為には、公定力、不可争力、自力執行力という権限がある。
行政行為の公定力とは、その行為がたとえ違法であったとしても、私人が裁判所などの権限がある国家機関に取消訴訟を起こしこれを取り消さない限りは、行為を有効であるとして私人を拘束することができる力である。例えば、最高裁昭和30年12月26日第三小法廷判決では、訴願裁決庁が一旦した裁決を取り消してさらに訴願の主張の趣考を容認したことが違法性を有するものであっても、公定力という概念を考慮して適法に取り消されるまでは完全に有効としたものがある。

しかしながら、行政行為が重大かつ明白な違法性を有しており取消訴訟を起こす必要もなく無効である場合、行政行為の違法性を国家賠償請求訴訟において主張する場合、行政行為の違法性を刑事訴訟において主張する場合には、行政行為そのものを否定しているわけではないから、公定力の考え方が通じないとされている。不可争力とは、私人が処分があったと知った日から6か月以内、または処分があった日から1年以内に取消訴訟を起こさなければ、その行政行為の違法性を主張できなくなるというものである。自力執行力とは、私人が行政行為によってあたえられた義務を果たさない場合に、行政庁が裁判をすることなく行政行為を遂行できる力のことである。納税未納者の財産差し押さえ処分などがこれの例に当たる。このように、行政行為は行政をする側が優位な立場にあり、私人間では起こりえない権利関係が存在している。
行政契約とは、先程までの行政行為とは異なり、両当事者の合意を必要とする非権力的法行為である。
行政契約には、調達契約、給付契約、規制契約がある。
調達契約とは、行政が行政活動を行うために必要とされる庁舎や物品を購入する際に用いられる契約である。公金の無駄な浪費や、自分たちと関係のある業者などとの癒着を防ぐために、調達契約の手順ではオークションの形式を取っている。オークション形式とは、契約内容を掲示して相手方を募集して、応募してきた者のなかで一番安価な額を提示してきた者と契約を結ぶ方法である。この形式の他にも、随意契約というものがある。これは、契約する相手方に特殊な技術を要求する点や、契約金額が少額であるという点から、オークション形式が不適当であると判断されたときに使われる。
給付契約とは、補助金の交付や、行政サービスの提供などをするために用いられるものである。電気自動車を購入したときの環境配慮に対する補助金や、水道の供給などがこれにあたる。水道などの生活に絶対に必要なものは、それを担当する行政機関に義務が与えられる場合がある。例えば、水道法15条1項では、「水道事業者は、事業計画に定める給水区域内の需要者から給水契約の申込みを受けたときは、正当の理由がなければ、これを拒んではならない。」と定められている。
規制契約とは、私人の事業に関する活動を制限するために、行政が行政行為などで権力的に制限する代わりに、私人との間で結ぶ契約である。具体的な例に公害発生の原因となる可能性のある事業者と、行政主体の間で、地域の環境悪化の防止を取り決めた公害防止協定や、ある街の土地を所有している者が、他の土地所有者とお互いに建物の高さや用途の制限、敷地の分割禁止を約束する建築協定などがある。このように、行政契約は、行政主体と私人が同じ目線で行う非権力的法行為である。
行政指導とは、行政機関がその任務または所掌事務の範囲内において一定の目的を実現するため特定の者に一定の作為、もしくは不作為を求める指導、勧告その他の行為のことである。行政指導は、法律の根拠がなくても行うことができ、行政行為や行政契約のような法行為ではなく、非権力的事実行為である。行政指導には、助成的行政指導と規制的行政指導と調整的行政指導がある。
助成的行政指導とは、相手方に対し利益となる方向で給付を行うことによって、公益の実現、本人の利益の実現をめざすことである。ある市の職員が、木造住宅の耐震補強を通じた防災、減災という公益の実現にとって良い行為を行おうとしているある市民に対し、費用の補助というその市民にとって利益となる情報の提供を行うことが例に挙げられる。
規制的行政指導とは、公益を害する恐れがある行為の是正や、積極的に公益に協力を要請することである。受験料の徴収を行っていたある会社に、行政機関である厚生労働大臣職業安定法48条の2という法規定に基づいてその徴収を求める行政指導などが例に挙げられる。
調整的行政指導とは、私人間の利益が衝突しうる場合に、その紛争を予防しまたは解決する方向で介入する行為である。ある市の職員が、ある建設会社と周辺住民との紛争を解決するために、その建設会社に対して、周辺住民との交渉や建設物の高さの再検討などの妥協を求める行政指導である。
このように、行政指導とは、行政機関によるアドバイスのようなものであり、これを無視することによる罰は特に規定されていない。
ここから、行政行為は、私人間の権利義務を変動させる権力的な法行為であり、行政契約は、行政行為とは違い、あくまで私人と対等な関係である非権力的な法行為であることがわかる。そして、行政指導は、これらの行政による法行為ではなく、行政機関による単なる事実行為であることがわかる。』

 

このような内容になっています。2000字が目安となっています!

 

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